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2014年 05月 27日

ワインの自由。

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先日のオフ会にて、持ち寄ったワインを飲んだ際に・・・
持込んだ方が『ん?香りが立っていない。これはブショネかも!』と叫んで、
ワインに詳しくない参加者の皆さんが『ん?そうかな?分からん。』と言う出来事がありました。


『ブショネ』とは当ブログでも度々出てきたと思いますが、
コルク由来のワイン汚染の事で、コルクに付着した菌がワインをダメにする現象です。

この汚染が酷いと、ワインはドブ水の匂いになりとても飲めたものではありません。

軽微な汚染だと、ワインを飲み慣れていない方はほとんど分かりませんが、
以前同じワインを飲んだのに、今回のは、香りが立たない、香りに違和感がある、とか味わいに深みがないとか感じる時は、軽微なブショネか熱劣化の可能性が考えられます。


今回のオフ会のワインについて私の見解では、
香りに少量のブショネ臭が感じられたので、軽いブショネが原因だと思われます。
しかし、味わいにあまり影響がなく美味しく頂きました。


ブショネは全コルクの約5%発生すると言われていますので、ブショネのワインにあたることは、残念ながら交通事故に遭遇するような事なのです。




ワインの自由。_f0182199_1431152.jpg


氏はブショネのワインを持ち込んだ事に落胆されておりましたが・・・
もしかしたら、『ブレタノマイセス』による汚染では?との説を唱えられました。


『ブレタノマイセス』・・・・・


どこかで聞いた事があるぞ!
・・・と思って探してみると『ソムリエール15巻』に見つけました。


ブレタノマイセス由来の腐敗酵母に汚染されたワインは、
高濃度であれば、馬小屋臭や濡れた布の臭い、ドブの臭いが感じられます。

しかし、低濃度であれば、赤ワインに好ましい複雑なニュアンスを与え、
長らくこうした香味の一部はテロワール、すなわち葡萄畑に由来する独特の個性と考えられてきました。

ブショネは少々でも悪ですが、このブレタノマイセスによる風味は、なめし皮や獣肉を連想させる野性味、土の香りなどと言った熟成した高級ワインに感じられる味わいを与え、ワインを魅力的にさせているのです。


また、この問題を複雑にしているのは、ロバート・パーカーに代表されるようなワイン評論家の多くが、かすかなブレタノマイセスのニュアンスを高く評価することです。

この為、ブレタノマイセスを香味付けのスパイスとして用いるワインメーカーが出現しています。




ワインを腐敗させる原因が、ワインを美味しく魅力的にもさせる。。。




なんとも深い世界です (ノω`)


ブレタノマイセスのニュアンスが全く感じられないニューワールドのワインを好んで飲むのか?
それとも、ブレタノマイセスを感じられるフランスのワインを飲むのか?は、、、、

自由だぁ~(・ω・)ノ



この漫画↑で紹介されている、『シャトーヌフ・デュ・パプ シャトー・ド・ボーカステル』は、
ブレタノマイセスのニュアンスがが感じられやすいとの事ですので、ちょっと飲んで勉強してみような?

<追記>
ブレタノマイセスの増殖で鍵となるのは、酸性度の低さと残糖の存在との事ですので、
酸性度が高いブルゴーニュではそれほど大きな問題にならないそうです。

by humming-watch | 2014-05-27 15:03 | ワイン


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